ジグザグ

ジグザグは、トレーダーが資産のトレンドが反転する可能性を評価するために使用する基本的なツールです。基本的なサポートラインやレジスタンスラインの分析と併せて使用することで、市場が積極的にトレンドを反転させようとしたり、以前に付けた水準を切り抜けようとするタイミングを特定するのに役立ちます。このツールは、トレンドの中でよく見られるノイズを排除し、その動きの全体的な方向性にのみ焦点を当てることができます。  

この指標は、値動きの特定のパーセンテージを利用することでこれを実現しています。どれを使うべきかについては複数の説があり、それは個々のトレーダーに委ねられています。しかし、基本的な考え方は、トレンドがXパーセント変化しなければ、トレンドは全く変化していないと見なすということです。なお、一般的に初期設定は5%に設定されています。 

ジグザグをチャートに適用すると、長期的な動きに対する多くのノイズが取り除かれるため、短期的なチャートよりも長期的なチャートでより効果を発揮します。ジグザグは、チャート上にトレンドラインのような単純な線で表示されますが、特定のローソク足の高値や安値には注目していません。シンプルにトレンドを描き出すのです。
 

ジグザグの読み方

ジグザグの見方は簡単です。左下から右上に向かって上昇している場合、つまり価格が上昇している場合は、市場が上昇トレンドにあることを示しています。逆に、ジグザグが左上から右下に向かって下がっている場合は、下降トレンドであることを示しています。
 
とはいえ、これは単に市場の全体的な姿勢を示すものであり、必ずしもチャート上のジグザグのライン方向だけを見て取引すべきではありません。しかし、ジグザグはどの方向に向かって取引すべきかという基本的なフィルターにはなります。その意味で、移動平均線と同じように使われることが多い指標です。

チャート上のジグザグ

価格が特定の方向に向かっているというシグナルを受け取っても、ジグザグは、あくまでも 「大局的な視点で市場を見ている」だけです。というのも、レバレッジの効いた商品(この場合は通貨)を取引している場合、5%という動きは大きすぎるからです。
 
そのため、多くのFXトレーダーには2つの選択肢があります。
 a)非常に小さなレバレッジで利用する。
 b)指標の感度を上げるために、指標の変化率を非常に低いパーセンテージに変更する。
 
ジグザグを基本的な設定で利用するのであれば、他の市場で利用した方がより良く機能する傾向があります。なお、ジグザグは、FXトレーダーが使用する他の多くの指標と同様に、当初は株式市場で取引するために設計されたものです。つまり、レバレッジがもたらす危険性は必ずしも考慮されていません。
 
その違いを示すために、5%の変化と2%の変化の違いを比較したチャートを以下に示します。赤のジグザグは、青のジグザグよりも早く方向転換していることがわかります。なぜなら、わずか2%のデプス(市場の深さ)で変化するように設定されているからです。

5%の場合と2%の場合の違い

下のチャートでは、ジグザグがチャート上に描かれた青い長方形の中で切り返してくる傾向があることに注目してください。これは、市場が関心を持っていると思われる潜在的なサポートラインやレジスタンスラインのゾーンを示しています。
 
同じ場所で何度もジグザグの切り返しが見られるということは、それだけ価格の拒否反応が強いということなので、将来を予測する材料にもなります。(ここは、5%にすることによって差が生じるところですが、これは真のリバーサルを示しているため、これらのエリア内でトレードシグナルが現れるのを待つだけの忍耐力があれば、放っておいてもよいということになります。)

ジグザグとサポート/レジスタンスレベル

上記の例でこの指標を使用する最善の方法の1つは、あなたにとって有利な状況を示すローソク足パターン が現れるのを待つことです。完璧ではありませんが、そのローソク足パターンによって、自分に有利に働く確率を知ることができます。 

ジグザグを使用するトレーダーは、適切なセットアップが実現するのを待つために多くの時間傍観しています。優秀なトレーダーの中にも、適切なセットアップを待つ甲斐は十分にあるという言う人がいるでしょう。 
 

ジグザグと他の指標の併用例

ジグザグを使う上で最も併用しやすいのは、フィボナッチ・リトレースメントでしょう。下のチャートでは、ニュージーランドドルの極安値での跳ね返りから、ジグザグの上部にフィボナッチ・リトレースメントが描かれています。チャート上の黄色い部分に注目してください。
 
市場はフィボナッチ・リトレースメント38.2%水準まで引き戻され、その後再び跳ね返されました。これは、トレーダーがフィボナッチ・リトレースメントを配置する方法の1つとして、ジグザグを利用する場合です。

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また、市場からのノイズを排除するために、この指標に移動平均線を追加するという方法もあります。この指標を使用する方法はいくつかありますが、最も明白な方法は、ジグザグが共通の移動平均線で折り返し、それがダイナミックなサポートラインまたはレジスタンスラインになっていることを確認するというものです。これは、少なくとも2つの指標が同じことを伝えていることになり、トレーダーが参戦しようと思えるシグナルになります。
 
もう1つの方法は、移動平均線を突破した後ジグザグが反転するのを待ち、それを確認することです。つまり、50日EMAを超えて上昇した後、すぐに下落すれば、市場が従来のトレンドを維持していることを示しています。移動平均線のすぐ上で価格が拒絶されているということです。
 
これにより、移動平均線を上に抜けたときにロングを実行して、ワナにはまってしまったトレーダーを利用することができます。もちろん、ジグザグが移動平均線を下方突破して反転した場合にも有効です。移動平均線は絶対的なものではないので、いつでもただちに価格を拒否するとは限らないことを覚えておいてください。
 
下のチャートを見ると、ジグザグが赤い50日EMAの上下に何度も突破し、その後反転していることに気づきます。これは、ジグザグを移動平均線と組み合わせて利用した完璧な例です。さらに、50日EMAで市場がすぐに反転した部分を黄色の円で強調しています。
 
これらの戦略は特に有効なので、デモ口座で試してみて、指標への信頼感を高め、適切なポジションサイズの決め方を学んでください。

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ジグザグを使うときの注意点

ジグザグは比較的シンプルで有用な指標です。しかし、他のテクニカル分析指標 と同様に、ベストケースの使い方はありますが、必ずしもすべてのシナリオに適したツールというわけではありません。
 
取引を成功させるためには、トレンドが必要です。例えば、1時間足チャートで一進一退の相場が続いている場合、ジグザグでは適切なシグナルを出すことができません。この場合、リスクとリターンの比率を歪めてしまうことになり、将来的に口座自体を失うほどの失敗に繋がりかねません。長期的に見て、勝ち取引を負け取引よりも大きくする能力か、ほとんどすべての取引で正しい判断をする能力が必要になります。
 
ジグザグは、資産の価格の変化量以外は考慮しません。確かに価格は最も重要な要素ですが、フィボナッチレベル、移動平均、あるいは単にチャート上の1.0000のような大きな切りの良い心理的に重要な数字など、市場参加者の注意を引くものは他にもあります。
 
さらに、ローソク足の値動きや、トレンドラインのような基本的なものも考慮されていません。それらは、トレンドラインをブレイクすれば、ジグザグよりもはるかに早く表示され、トレーダーの注目を集めます。とはいえ、ジグザグは完璧ではありませんが、より大きな動きを見ることに適しているため、長い時間枠で使用すると有効に活用できるでしょう。
 
次のことは、覚えておいてください。

  • ジグザグ指標は、長い時間軸において高いパフォーマンスを示す傾向があります。
  • ジグザグ指標は、方向性のない横ばい相場では機能しません。
  • ジグザグ指標は、他のテクニカルな要素を考慮していません。
  • ジグザグ指標は、ほとんどの場合、他の指標と組み合わせ、システムの一部として利用します。
  • ジグザグ指標は、調整可能であるため、トレーダーの好みに合わせて調整すべきです。

 しかし、適切に利用すれば、ジグザグは優れた二次的指標となります。例えば、買いを開始するためにプルバックの可能性を見ているときに、そのプルバックに対してジグザグがすでに反転している場合、市場がすでに方向転換していることを示しています。
 
市場は時間の経過とともに揺れ動く傾向があるため、トレンドのある通貨で5%の動きがあれば、疑いを抱き始めてもいい程度の動きであるといえます。その点、ジグザグは長期的なトレンドの反転と継続を確認するために利用するのがよいでしょう。例えば、上昇トレンドの中で価格がプルバックし、その後反転してジグザグが再び強気になった場合、長期的なトレーダーにとっては、買いを開始してポジションを増やし、その間に利益を積み上げていくことを示す妥当なシグナルとなります。
 
この指標は、非常にシンプルです。多くの指標は複雑ですが、ジグザグは限りなく初歩的です。その意味では、動きの大きさ(パーセンテージ)以外を頼りにしていないので、市場を大きく捉えることには最適な指標かもしれません。マーケットでの取引方法は無限にあるため、使用する指標の組み合わせによっては大きな違いが出てきます。
 
ジグザグは確かに試す価値がありますし、使い道もあります。しかし、それだけではシグナルを出すことはできません。ジグザグだけに注目して売買シグナルを出すトレーダーは、長期的なバイ・アンド・ホールド型の長期的な投資家に限られます。これは、もともとジグザグが株式市場向けに開発されたという歴史に由来しています。
 
そのため、この指標を好むトレーダーの多くは、日足チャートやそれより長い時間枠に対してこの指標を適用しています。短期のチャートではうまく機能しません。そもそもそのような設計になっていないのです。